1980年代の初め、世界の海面の平均温度は19.7~21℃の間で推移してきました。
今年、2023年3月末に21℃を超えました。近年の海温度の急上昇は過去に例がありません。

海の温暖化は、海に生息する魚や海藻、珊瑚に多大な影響を与えています。
熱帯地方にいるはずの魚や珊瑚が、本州沿岸でも見られる、また、亜熱帯地方の珊瑚は熱に耐えられず白化現象を起こし、沿岸で獲れていた貝や魚が獲れなくなっているという報告を耳にします。
魚は変温動物。
環境温度に合わせられません。適水温はおよそ10度〜15度くらいと言われています。
暖かい海流を避け、より冷たい沖に移動せざるを得ない魚たち。
これは魚にとっては、死活問題です。
より冷たい沖は、沿岸に比べて圧倒的に栄養素の少ない海域だからです。
沿岸の「陸と海の交わる浜辺」は多様な生物が生息しています。(栄養素が多い)
森を抜け、地下水脈をゆっくりとくだって沿岸に流れる込む雨水、
河に合流し、下ってくる雨には腐葉土からの多くの栄養分が溶け込んでいます。
浜辺では光も加わり、植物プランクトン、動物プランクトンが豊富に繁殖します。
水際に生息するヨシ、蒲、藻、苔、貝、バクテリアは、命を咲かせます。
そこに群がる小魚たち。沿岸に近い海域は栄養素が高いのです。
それに比べて沖は海の砂漠と呼ばれています。
魚たちの生態に影響を与えているのは、近代の私たちの暮らし。
海が変化し、移動せざる得ない魚。動けなくて死滅する珊瑚。
魚や珊瑚の生態(暮らし)をとり戻し、その命に共鳴する感性、喜びを取り戻したい。
作家・石牟礼道子氏の対談『地上的な一切の、極相の中で』より
・・そこには気配というか、みしみしと、ほんとに聞こえるんですけど、微細な生き物たちの気配が。
小さな小指の先のようなカニたちがいてゾロゾロ行ったり来たり、かわいいですよね。春先になると階層がワーっと盛り上がってきて、その中にもたくさんの生き物たちが隠れている。
浜辺に立ちますと、目に見えるものもですが、目に見えないものたちの気配もいっぱい満ち満ちています。
それらが混ざり合って浜辺は「生命たちの揺籠」というか、生まれたものもですが、未だ生まれない「未生まのものたちの世界」でもあるように思います。(略)あの香りというか、潮が満ちてくる時は空も海と一緒になって、なにか大宇宙に抱き取られるような感じがします。平和な豊かな気持ちになれます。・・
