『海女』の背景を支えてくださるのは 染色家・小渕裕さんの大布です。
長さは6m。
交野市星田の土を焼き上げて染めてくださいました。
この染めの技法は、小渕さんと交野市の浄水場から出る黄土との出会いから生まれました。

交野市の水道水は、地下300メートルの地底から水を汲み上げた地下水を、浄水場で濾過をして、水道水としています。その濾過の過程で生まれるのが黄土。
この黄土は、大阪市内を見下ろす生駒山に降った雨水が地下層を通過してゆき、微生物とともに育まれた天然のベンガラ(顔料)です。

自然のエネルギーを帯びた大変美しい色の土です。
小渕さんはさらに、採取したままの黄土を焼き色のグラディーションを生み出されました。 古代からつづく色つくりの手法と、仰られていましたが、設定を変え、何度も繰り返し試されて色を導かれる姿に、心打たれました。
今は、黄色、赤だけでなく 豊かな気配のある色合いが生まれています。

小渕さんとのお仕事は今回で5回目。
毎回、テーマに合わせ 素材選びから 雰囲気の共有まで 真摯に向き合ってくださいます。

柔らかな物腰の中にも アーティストとしての信念と 職人気質の細やかさと精緻さを兼ね備えた小渕さんに 今回も全面的にお任せをしました。
うみを布で。。というお話でしたが、当初からふたりともイメージは桃色。ピンク。
朝焼けの海の色がイメージ。

当日会場で 自然の輝きとあたたかいやわらかなもの が背景を支えてくれます。
